中高年夫婦は高血圧リスクを共有する:世界4ヵ国調査
Spousal Concordance of Hypertension Among Middle-Aged and Older Heterosexual Couples Around the World: Evidence From Studies of Aging in the United States, England, China, and India
背景
夫婦は一般的に生活習慣・食事などを共有しており、高血圧や糖尿病のリスクも共有するというデータがある。
アメリカRollins School of Public HealthのVargheseらは、アメリカ(3,989組)・イングランド(1,086組)・中国(6,514組)・インド(22,389組)の中高年・異性婚カップルのデータを用い、高血圧の夫婦間一致率を比較した。
結論
夫婦の平均年齢はインドが50歳代、イギリスでは70歳代と大きな差があった。すべての国で妻の高血圧有病率は夫より低かった。
アメリカのカップルの37.9%、イングランドの47.1%、中国の20.8%、インドの19.8%が夫婦高血圧であった。
高血圧の夫を持つ妻は、高血圧でない夫を持つ妻と比して高血圧である可能性が高かった(有病率比 1.09-1.26)。また、高血圧の妻を持つ夫についても同様の関連が認められ、関連は中国・インドでやや大きかった。
評価
夫婦が高血圧・糖尿病リスクを共有するというデータは日本からもあるが(https://doi.org/10.1136/bmjopen-2019-036281)、本研究は世界的にも同様の関連が認められることを確認した。
スクリーニング・予防戦略において、念頭におくべきデータと言えるだろう。