移動式脳卒中ユニット(MSU)にMRIを搭載する
Mobile point-of-care MRI demonstration of a normal volunteer in a telemedicine-equipped ambulance
背景
Mobile stroke unit(MSU)は、頭部撮影用CTと検査・遠隔通信機器を備えたドクターカーで、日本では未導入であるものの、欧米を中心に運用されており、標準的な救急管理と比してアウトカムを改善しうることが示されている。
アメリカMedical University of South CarolinaのRobertsらは、MRI救急車のコンセプトを実証すべく、遠隔通信機器を備えた救急車にポータブル低磁場MRI(0.064 テスラ)を搭載し、MR用ファントムと健康被験者を対象として標準的な脳卒中プロトコルでの搬送中撮像を実施した。
結論
MRファントムと被験者の画像は正常に撮像され、ただちに医療画像管理(PACS)システムで閲覧可能となった。放射線科医は、画像を診断に十分な画質と判定した。
運動補正機能は、車やスキャナの動きにもかかわらず、高い画質を維持した。In-planeでの低コントラスト分解能は4×4 mm超であった。
評価
最近、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受けたポータブルMRIにより、低速運転中の救急車内で十分な画質の撮像が可能であることを示し、MRI搭載MSUの技術的実現可能を実証した。スタッフの被曝リスクがなく、初期の管理決定を、さらに改善しうる魅力的なコンセプトである。


