プチ断食や早い時間の食事で心血管疾患リスクを低減
Dietary circadian rhythms and cardiovascular disease risk in the prospective NutriNet-Sante cohort
背景
時間制限摂食(Time-Restricted Eating)は、1日の摂食時間を活動中の4〜12時間に制限し、夜間に12時間以上の絶食時間を設ける食事療法であり、体重の減少に加え、代謝健康の改善に資することが報告されている。
スペインBarcelona Institute for Global Health (ISGlobal)のPalomar-Crosらは、24時間の食事のタイミング・内容を半年に3回ランダムに記録した、前向コホート研究NutriNet-Sante studyの参加者(n=103,389)において、食事時間・回数および夜間の絶食時間と心血管疾患(CVD)リスクとの関連を検討した。
結論
参加者の79%が女性、平均年齢は42.6歳であった。フォローアップ期間7.2年(中央値)で、2,036件のCVDが発生した。
1日の最初の食事が遅れるほどCVDリスクが有意に高くなった(時間あたりHR 1.06)。最後の食事が午後9時以降の場合は、それ以前と比較してCVDリスクが上昇した(HR 1.13)。食事の回数との間に関連は認められなかった。脳血管疾患は、最後の食事を1時間遅らせるごとに8%増加し、午後9時以降の食事も脳血管疾患リスクの28%の増加と関連した。
夜間の絶食時間(12時間以上)は脳血管疾患リスクと逆相関した(時間あたりHR 0.93)。また、これらの関連は性別と有意な相互作用があり、最後の食事の時間と心血管疾患・脳血管疾患のリスクは女性で強い関連があった。
評価
食事の時間パターンとCVDの関連を検討した初めての前向研究とみられる。遅い朝食・夕食、および夜間絶食時間の短さはCVDリスクと関連した。
食事のタイミングやTREがCVD予防において果たす役割を示唆するデータと言えるが、まずは他研究によって再現される必要がある。


