UKBiobankビッグデータでCADのリスクのゲノム予測スコアmetaGRSを開発
Genomic Risk Prediction of Coronary Artery Disease in 480,000 Adults
Implications for Primary Prevention
背景
ゲノムデータによる冠動脈疾患(CAD)リスク評価がいくつか試みられている。英Cambridge Baker Systems Genomics InitiativeのInouyeらは、UKBibankデータ170万バリアントに基づくCAD(metaGRS)リスクスコアを開発し、その有用性を評価した(CAD症例22,242、対照例460,387)。
結論
CADハザード比(HR)は、metaGRSスコア1SD増加につき1.71であり、既発表のすべての遺伝子リスクスコアより大きかった。個人をCADリスクの異なるライフコース軌道に階層化した場合、metaGRSスコア最上位20%個人のリスクは下位20%に比しHR4.17であった。metaGRSは、従来の6リスク要因(喫煙・糖尿病・高血圧・BMI・自己報告高コレステロール血症・家族歴)のいずれよりもCAD発症のC指数が高かった(C=0.623)。従来因子2以上保有でmetaGRS上位20%である男性は、48歳までのCAD累積リスクが10%に達した。
評価
現在最も先進的なUKBiobankのビッグデータを利用し、この種のスコア開発(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27655226)の頂点をつくった。通常リスク因子への付加価値は非常に大きいとはいえなかったが、若年者のリスク予測では従来因子を凌駕する。データは増加中で、スコアの更なる洗練が期待できる。


