がん免疫療法を始めとする再生医療用細胞等の受託製造事業に参入
日立化成株式会社(本社:東京、執行役社長:田中一行、以下、日立化成)は、再生医療等製品の開発を行っているCaladrius Biosciences, Inc. (NASDAQ: ClBS)の子会社であり、再生医療用細胞の受託製造の分野で米国最大手の一社であるPCT, LLC, a Caladrius Company (本社:米国、ニュージャージー州、President:Robert Preti、以下、PCT)へ出資するとともに技術提携契約を締結し、再生医療用細胞等日本国内向けの受託製造(*1)事業(以下、本事業)に参入します。
再生医療は、けがや病気で損傷した臓器および免疫の機能を回復させるため、細胞を体外で培養するなどして体に移植する治療法であり、がん免疫療法(*2)や、体性幹細胞(*3)・iPS細胞(*4)等を用いた治療法があります。近年、特にがん免疫療法、体性幹細胞を用いた治療法の臨床応用例が急増しています。さらに日本での法規制緩和およびiPS細胞の実用化等により、再生医療の急速な立ち上がりが期待され、周辺産業市場は2025年頃から急拡大し、2030年には5兆円、2050年には15兆円の世界市場が見込まれています(*5)。
なお、日本では、2014年11月、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」の施行により、細胞培養加工について、医療機関から企業への外部委託が可能となり、さらに「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)(*6)」の施行により、再生医療等製品(*7)の特性に応じた早期承認が可能となりました。これらにより、国内再生医療市場の急速な拡大が期待されております。
このたび、日立化成はPCTへ出資するとともに、技術提携することで、PCTが行う米国における受託製造事業の経営に参画するほか、PCTから本事業に関する技術およびノウハウの供与を受け、再生医療用細胞等日本国内向けの受託製造事業に2018年度をめどに参入します。
また、PCTからの技術およびノウハウの取得に加え、日立グループの技術支援を受け、自動化設備等を備えた生産管理システムを開発することで、高品質・低コストの再生医療用細胞等の受託製造が可能となります。
日立化成は、1981年から診断薬を中心とした医療関連製品を手掛けています。医薬品医療機器等法の下での医薬品の臨床試験、薬事承認取得および製造販売で蓄積してきたノウハウを生かし、高品質と低コスト化を両立した、がん免疫療法用をはじめとする細胞の自動培養システムの確立および本事業の早期立ち上げをめざします。さらに、容器や試薬などの消耗材についても取り組んでまいります。
*1.再生医療用細胞等の受託製造とは、製薬会社、病院および研究機関からの委託に基づき再生医療に使用する細胞を製造供給する事業形態です。
*2.がん免疫療法とは、免疫の力ががん増殖の力を上回るように、免疫細胞を体外で増殖、強化し体内に戻し、免疫の作用によりがんを攻撃する治療法です。
*3.体性幹細胞とは、生体のさまざな組織にある幹細胞です。
*4.iPS細胞とは、万能細胞の一種であり、幹細胞と同様に増殖して各種の細胞へと分化することが可能な細胞です。再生医療への応用が期待されます。
*5.経済産業省「再生医療の実用化・産業化に関する報告書」(2013年)参照。
*6.医薬品医療機器等法とは、日本における医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器および再生医療等製品に関する運用などを定めた法律です
*7.再生医療等製品とは、再生医療に用いる細胞加工物のうち、企業の責任の下で加工が施されたもののことです。
【PCT会社概要】
(1)社名:PCT, LLC, a Caladrius Company
(2)所在地:米国 ニュージャージー州
(3)代表者:President, Robert Preti
(4)設立:1997年


