膀胱尿管逆流症乳児への予防的抗菌薬使用の効果をPREDICTする
Antibiotic Prophylaxis in Infants with Grade III, IV, or V Vesicoureteral Reflux
背景
尿路感染症(UTI)予防のための予防的抗菌薬持続投与の有効性に関して多大な研究の累積がある。
イタリアPoliclinico di MilanoのMontiniら(PREDICT)は、グレードIII・IV・V膀胱尿管逆流症を有し、UTI既往のない生後1〜5ヵ月の乳児292名を対象として、予防的抗菌薬持続投与の有効性を検証する非盲検RCTを行った。乳児を24ヵ月間の予防投与群と無投与群に無作為に割り付けた。一次アウトカムは、試験期間中のUTIの初回発生である。
結論
予防的抗菌薬持続投与の一次アウトカムに対する効果を認めた(HR 0.55)。UTI予防の2年間のNNTは7であった。ただし、大腸菌以外の細菌の出現と抗菌薬耐性は増加した。重篤有害事象に群間差はなかった。
評価
多くのRCT間に矛盾があり、系統的レビュー・メタアナリシス間にも齟齬がある、という難テーマに関する、十分に的を絞った新たな研究である。しかし、非盲検ということで意義を割引されるうえ、多くのただし書きが付く「有効」な結果となった。NEJM Editorialは、一般的には「時代遅れ」のアプローチと断定しつつ、非常に選択的な症例では当然有効でありえる、としている。


