めまい発生3ヵ月以内のPT介入はその後の転倒リスクを低減する
Use of Physical Therapy and Subsequent Falls Among Patients With Dizziness in the US
背景
めまい患者への早期理学療法(PT)介入は、その後の転倒リスクを軽減するか。
アメリカUniversity of MinnesotaのMarmorらは、2006〜2015年の米メディケア等保険請求データを用いて、18歳以上でめまい症状、もしくは前庭疾患の診断を受けた患者805,454名を対象として、PT受診と、めまい発生から12ヵ月後の医療施設での治療を必要とする転倒の関連を検討する横断研究を行った。
結論
6%がめまい発生から3ヵ月以内にPTを受け、7%がめまい発生から12ヵ月以内に医療施設を受診した。PT受診率が低かったのは、女性(調整オッズ比[aOR] 0.80)・年齢50〜59歳(0.67)・合併症保有患者(0.71)だった。めまい発生から3ヵ月以内のPT受診はその後の12ヵ月間の転倒リスク低下と関連し、PT受診後3ヵ月でのリスク低下が最大だった(aOR [3-12ヶ月] 0.14 vs. [6〜12ヵ月] 0.18 vs. [9〜12ヵ月] 0.23)。
評価
めまいへのPT介入の有益性研究は、対象が高齢者が多く(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33228601/)、若年者を含んだ研究は初めてかもしれない。この研究は大規模で一定の信頼度があるが、RCTではない。