大うつ病性障害治療のためのサイケデリック薬psilocybin、第3相へ
Single-Dose Psilocybin Treatment for Major Depressive Disorder: A Randomized Clinical Trial
背景
サイケデリック薬であるpsilocybinの臨床応用が多く試みられている。
アメリカUsona InstituteのRaisonらは、大うつ病性障害(MDD)患者に対するその効果(25 mg単回経口投与)と安全性を評価する第2相RCTを行った(活性プラセボ:ナイアシン)。患者は、中等〜重症の成人104名で、一次アウトカムは、MADRSのベースラインからの変化である。
結論
Psilocybinの一次アウトカムに対する効果を認めた(43日目で、-19.1 vs. -6.8)。二次アウトカム(SDSスコアの変化)も実薬が優った。一方、実薬群では有害事象発生率が高く、また、より重症であった。
評価
Psilocybinの有効性報告は、多くは挿話的または小規模試験によるものであった。この試験は、Usona Institute企業スポンサーによる初めての本格RCTである。一定の効果を示したが、今まで最大とはいえ、未だ中規模で、社会的インパクトの大きさから、第3相試験による慎重な確認が必要となる。