Atogepantで片頭痛治療にPROGRESS
Atogepant for the preventive treatment of chronic migraine (PROGRESS): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial
背景
慢性片頭痛への経口CGRP受容体拮抗薬atogepantの効果・安全性は。
スペインVall d'Hebron University HospitalのPozo-Rosichら(PROGRESS)は、同患者1,489名を対象として、これを検証する第3相多国籍RCTを行った(3群:atogepant 30 mg1日2回投与群、60 mg1日1回投与群、プラセボ)。一次エンドポイントは、12週の治療期間における1ヵ月当たりの片頭痛発症日(MMDs)のベースラインからの変化である。
結論
3群ともベースラインMMDは約19日であった。30 mg1日2回・60 mg1日1回投与群で共に、一次エンドポイントに対する効果を認めた(MMD各−7.5日・−6.9日 vs. プラセボ−5.1日)。一般的有害事象には、便秘・悪心があった。
評価
同薬は、反復性片頭痛の予防効果をみたADVANCEが成功し(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2035908)、すでにFDAに承認されている。このPROGRESSは慢性片頭痛への効果をみたもので、予期通り成功をおさめ、適応拡大を確実にした。ADVANCEは「より長い試験が必要」としていたが、試験期間はこのPROGRESSでも12週で、長期試験に関しては言及されていない。