変形性膝関節症への早期PT開始でオピオイド依存リスクを軽減

Delayed timing of physical therapy initiation increases the risk of future opioid use in individuals with knee osteoarthritis: a real-world cohort study

原文を読む

背景

変形性膝関節症（OA）への早期理学療法（PT）開始で、後のオピオイド使用リスクを低減できるか。
アメリカBoston UniversityのKumarらは、1999〜2018年の保険請求データを用いて、OA診断より1年以内のPT利用があった成人患者67,245名（オピオイド使用歴無し35,899名／オピオイド使用歴有り31,346名）を対象として、PT開始のタイミングと1回以上のオピオイド使用、または1年以上の慢性的なオピオイド使用の関連を検討するリアルワールドコホート研究を行った。

結論

オピオイド使用歴無しグループにおいて、1ヵ月以内のPT開始と比べて、1ヵ月以降の開始はオピオイド使用リスク増加（調整RR 1〜3ヵ月1.18, 3〜6ヵ月1.49, 6〜9ヵ月1.73, 9〜12ヵ月1.93）、また慢性使用リスク増加（調整RR 1.25, 1.83, 2.29, 2.50）と関連し、オピオイド使用歴有りのグループでも同様の結果だった（オピオイド使用; 調整RR 1.19・1.32・1.39・1.54／慢性使用; 1.25・1.43・1.53・1.65）。

評価

著者らは、セッション数は6〜12回で十分で、12回以上は不要としている。OA診断1ヵ月以内のPT開始による疼痛軽減効果は大きく、オピオイド使用というコンテキスト以外でも参照されるべき結果である。