血圧管理の最も有効な運動はアイソメトリックトレーニング
Exercise training and resting blood pressure: a large-scale pairwise and network meta-analysis of randomised controlled trials

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
British Journal of Sports Medicine
年月
July 2023
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開始ページ
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背景

血圧管理に最も有効な運動方法は。
イギリスUniversity of LeicesterのEdwardsらは、2週間以上の運動介入による収縮期血圧(SBP)と拡張期血圧 (DBP)改善に関する1990〜2023年に発表された270件のRCT論文(n=15,827)を対象として、これを検討する系統的レビュー・ネットワークメタアナリシスを行った。

結論

有酸素運動(−4.49/−2.53 mm Hg)・動的筋力トレーニング(−4.55/−3.04 mm Hg)・複合トレーニング(−6.04/−2.54 mm Hg)・高強度インターバルトレーニング(−4.08/−2.50 mm Hg)・アイソメトリックトレーニング(−8.24/−4.00 mm Hg)が安静時SBP/DBPの有意な改善と関連した。累積順位曲線下面積(SUCRA)に基づく有効性は、アイソメトリックトレーニング(SUCRA 98.3%)・複合トレーニング(75.7%)・動的筋力トレーニング(46.1%)・有酸素運動(40.5%)・高強度インターバルトレーニング(−39.4%)の順だった。また、二次ネットワークメタアナリシスでは、アイソメトリック壁スクワット(90.4%)とランニング(91.3%)が最もSBP・DBP低下に有効性を示した。

評価

現行ガイドラインは血圧管理には有酸素運動を推奨しているが、近年、HIITなど新たな運動介入手法が次々と現れており、アップデートが必要とされている。本論文は新たなガイドラインのベースとなる。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy