遺伝子ハイリスク者も1日30分以上の運動で2型糖尿病発症リスクを半減できる
Accelerometer-measured intensity-specific physical activity, genetic risk and incident type 2 diabetes: a prospective cohort study
背景
遺伝子ハイリスク者の2型糖尿病発症を予防しうる身体活動量は。
オーストラリアThe University of SydneyのDingらは、2013〜2015年のUKBiobankデータ(n=59,325, 平均年齢61.1歳)をベースに、加速度計測定による身体活動量・強度とNHSレジストリデータを関連付け、身体活動と遺伝リスクレベルによる2型糖尿病発症の用量反応関係を検討する前向コホート研究を行った。
結論
中央値6.8年の追跡で、遺伝子リスク調整後も中〜高強度身体活動(MVPA)と2型糖尿病発症リスク間には強い線形用量反応関係がみられた。最低レベルのMVPAと比べ、高レベルのMVPAは2型糖尿病発症リスク低下と関連した(HR 0.63 [5.3〜25.9分/日]・0.41 [26.0〜68.4分/日]・0.26 [68.4分以上/日])。MVPAと遺伝子リスクスコア間には有意な加法的相互作用が認められた。
評価
UKBiobankの遺伝子データと加速度計実測による身体活動計測とを結合した、大規模・好デザイン研究である。遺伝子高リスク者でも1日30分のMVPAで2型糖尿病発症リスクを半減できる、というわかりやすい指標を提供した。