慢性硬膜下血腫にはデキサメタゾンか手術か
Dexamethasone versus Surgery for Chronic Subdural Hematoma
背景
慢性硬膜下血腫に血腫除去術を行わず、グルココルチコイドを投与する、という提唱・実践がある。
オランダAmphia HospitalのMiahら(DECSA)は、症候性慢性硬膜下血腫患者252名を対象として、デキサメタゾン19日間漸減投与と穿頭ドレナージの効果・安全性を比較する非劣性RCTを行った。一次エンドポイントは、無作為化後3ヵ月時点での機能転帰(修正ランキンスケールスコア)である。
結論
デキサメタゾン群で安全性とアウトカムに懸念が生じたため、試験は早期終結された。デキサメタゾンの非劣性は示されなかった(オッズ比 0.55)。二次エンドポイント(マークウォルダー評価尺度スコア等)でも同様だった。
評価
デキサメタゾン使用を非侵襲性の抗炎症アプローチとして推奨する向きもあり、決定試験が行われた。2020年のDex-CSDHで「有効とはし難いが再手術は減った」としていた(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2020473)ため、再度行われた非劣性試験である。今回はより否定的な結果となったが、NEJM Editorialは、「“硬膜下血腫”という用語は誤りである」と主張し、アプローチを個別化することを提唱している。このようなRCTは最後となるとみられる。


