重症先天肥満患者に新規レプチンバリアントを同定
Rare Antagonistic Leptin Variants and Severe, Early-Onset Obesity
背景
レプチン(LEP) 遺伝子バリアントは、先天性レプチン欠損症・機能不全による病的肥満に起因する。
ドイツUlm UniversityのFischer-Posovszkyらは、重度の過食・肥満を呈する血縁関係のない2名の小児患者で、受容体結合拮抗性タンパクを生成する2つの新規ホモ接合レプチンバリアントの存在を報告している。
結論
両バリアントLEPはLEP受容体に結合するが、正常なシグナル伝達へ帰結せず、非変異LEPに対しては競合アンタゴニストとして作用する。両患者に対し、組換え型ヒトLEP製剤(メトレレプチン)を高用量で開始し、徐々に減量する治療を行った。この結果、両患者とも最終的にはほぼ正常体重となった。抗薬物抗体が発現したが、有効性には影響しなかった。重篤有害事象は観察されなかった。
評価
先天性LEP欠乏症に起因するバリアントは現在まで21種報告されているが、多くは産生・分泌障害である。この報告は22番目だが、部分アゴニスト活性をもつ競合アンタゴニストという新たなクラスのバリアントの存在を証明した。拮抗作用を除去する治療法も発見し、完璧な研究となった。


