慢性腰痛へのCognitive Functional Therapy(認知機能療法)は有用:RESTORE
Cognitive functional therapy with or without movement sensor biofeedback versus usual care for chronic, disabling low back pain (RESTORE): a randomised, controlled, three-arm, parallel group, phase 3, clinical trial

カテゴリー
整形外科・理学療法、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2023
401
開始ページ
1866

背景

腰痛へのCognitive Functional Therapy(認知機能療法: CFT)の有効性は。
オーストラリアCurtin UniversityのKentら(RESTORE)は、3ヵ月以上中等症以上の疼痛による活動制限があった慢性腰痛患者を対象として、これを検証するRCTを行った(n=492)。患者をCFTのみ群、CFT+モーションセンサーによるバイオフィードバック群(CFT+群)、標準ケア群に割り付け、介入群は12週間で最大7回の治療セッションを受け、さらに26週目でブースターセッションを受けた。一次臨床アウトカムは、RDQ-24を用いた自己評価による13週での活動制限、一次経済アウトカムは、質調整生存年(QALYs)である。

結論

両介入いずれも標準ケアと比べ、13週での活動制限を有意に改善し(平均差:CFTのみ群, −4.6・CFT+群, −4.6)、効果サイズは52週でも同様だった。また、両介入とも標準ケアと比べ、QALYsが高く、さらに経済社会コストも低かった。

評価

腰痛へのCFTアプローチに関するRCTはまだ少なく、本研究は最大規模であり、コスト検討に関しては初である。本試験ではバイオフィードバックの使用有無で大きな差はなかったが、同著者らによるパイロット試験(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26022102/)ではバイオフィードバック使用により有意差をみせていた。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy