慢性腰痛へのCognitive Functional Therapy(認知機能療法)は有用:RESTORE
Cognitive functional therapy with or without movement sensor biofeedback versus usual care for chronic, disabling low back pain (RESTORE): a randomised, controlled, three-arm, parallel group, phase 3, clinical trial
背景
腰痛へのCognitive Functional Therapy(認知機能療法: CFT)の有効性は。
オーストラリアCurtin UniversityのKentら(RESTORE)は、3ヵ月以上中等症以上の疼痛による活動制限があった慢性腰痛患者を対象として、これを検証するRCTを行った(n=492)。患者をCFTのみ群、CFT+モーションセンサーによるバイオフィードバック群(CFT+群)、標準ケア群に割り付け、介入群は12週間で最大7回の治療セッションを受け、さらに26週目でブースターセッションを受けた。一次臨床アウトカムは、RDQ-24を用いた自己評価による13週での活動制限、一次経済アウトカムは、質調整生存年(QALYs)である。
結論
両介入いずれも標準ケアと比べ、13週での活動制限を有意に改善し(平均差:CFTのみ群, −4.6・CFT+群, −4.6)、効果サイズは52週でも同様だった。また、両介入とも標準ケアと比べ、QALYsが高く、さらに経済社会コストも低かった。
評価
腰痛へのCFTアプローチに関するRCTはまだ少なく、本研究は最大規模であり、コスト検討に関しては初である。本試験ではバイオフィードバックの使用有無で大きな差はなかったが、同著者らによるパイロット試験(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26022102/)ではバイオフィードバック使用により有意差をみせていた。


