グループ療法と個別フォローアップでオピオイド使用を低減: I-WOTCH
Reducing Opioid Use for Chronic Pain With a Group-Based Intervention: A Randomized Clinical Trial
背景
アメリカでは日本以上に鎮痛に対してオピオイドが常用されており、使用低減のためにさまざまな試みがなされている。
イギリスUniversity of WarwickのUnderwoodら(I-WOTCH)は、強オピオイド鎮痛薬使用中の非がん性慢性疼痛患者608名を対象として、グループ介入による自己マネージメント法の有効性を検証するRCTを行った(対照:通常療法)。一次アウトカムは、自己評価によるPROMIS-PI-SF-8aスコアと12ヵ月におけるオピオイドを断薬した患者の割合である。
結論
12ヵ月でのPROMIS-PI-SF-8aスコアに群間有意差はなかったが、オピオイドを断薬した患者の割合は介入群が有意に高かった(29% vs. 7%:OR 5.55, 絶対差 21.7%)。
評価
オピオイド使用の低減はさまざまな試みが行われているが、近年はマルチモーダルで非薬物療法的な方向に進んでいる。グループ介入にはコーピング法・ストレスマネジメント・ゴール設定・マインドフルネス ・姿勢動作アドバイス・禁断症状対処法・疼痛管理などが含まれた。長期間1人で疼痛に悩んでいた個人が集団で痛みを客観視し(I-WOTCH)、断薬への連帯感を共有する手法で、有力である。