妊娠中のビタミンB12補給は乳児の成長・発達に影響しない
The effect of vitamin B12 supplementation during pregnancy on infant growth and development in Nepal: a community-based, double-blind, randomised, placebo-controlled trial

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2023
401
開始ページ
1508

背景

ビタミンB12(VB12)は乳児の健康な成長・発達に必要だが、低・中所得国では低ビタミンB12が常態となっている。
ノルウェーInnlandet Hospital TrustのStrandらは、ネパール3病院において妊娠初期から産後6ヵ月までのVB12補給の、乳児の成長・神経発達に対する有益性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ, n=800)。一次アウトカムは、生後12ヵ月時点での年齢別体長Zスコア(LAZ)、生後6ヵ月および12ヵ月時点でのBayley Scales of Infant and Toddler Development(第3版)の認知複合スコアである。

結論

VB12補給の一次アウトカム効果を認めなかった。

評価

ノルウェーグループはVB12補給の有益性を示唆するRCTを発表して、「より大規模な検証が必要」としていた(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25802345/)。実行された検証によって、この戦略は非推奨となった。ただし、妊娠中のVB12欠乏のカットオフ点に関するコンセンサスは未だ存在しない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies