身体活動介入は鬱・不安障害・心理的苦悩軽減に有益:アンブレラレビュー
Effectiveness of physical activity interventions for improving depression, anxiety and distress: an overview of systematic reviews
背景
鬱・不安症・心理的苦悩患者への身体活動の有益性に関するエビデンスは。
オーストラリアUniversity of South AustraliaのSinghらは、この問題に関するRCTを対象とした97の系統レビュー・メタ解析(n=1,039研究・被験者128,119名)を対象とするアンブレラレビューを行った。
結論
標準ケアと比べて身体活動介入は鬱(効果量中央値 −0.43)・不安症(効果量中央値 −0.42)・心理的苦悩(効果量中央値 −0.60)への中等度有効性を示し、特に鬱・HIV・腎臓病・妊娠・閉経女性にベネフィットがあった。また、高強度身体活動はさらなる症状緩和と関連した。
評価
すでに100近いという系統レビュー・メタアナリシスに対する最新のアンブレラレビューである。運動介入は薬物療法や認知行動療法と同等の果を示し、有酸素運動や筋力トレーニング、ヨガ、マインドフルネスなどが効果的であることが報告されている。他方、運動介入が有効でなかった報告としては、性疲労症候群(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28444695/)、統合失調症(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25650668/)がある。