血友病Aへのvaloctocogene roxaparvovec遺伝子治療の2年有効性・安全性を報告
Two-Year Outcomes of Valoctocogene Roxaparvovec Therapy for Hemophilia A
背景
血友病Aに対する画期的遺伝子治療valoctocogene roxaparvovecは、第3相初期有効報告から2年が経過した。
南アフリカUniversity of the WitwatersrandのMahlanguら(GENEr8-1)は、男性134名に対して行われたその単回送達治療の104週後結果を報告している。一次エンドポイントは、治療を要した出血イベントの年間発生率のベースラインからの変化である。
結論
2年後における一次エンドポイント有効性を確認した(ベースラインから 84.5%減)。76週以降の導入遺伝子由来第VIII因子活性は、一次速度式動態で消失した。導入遺伝子由来の第VIII因子産生系の半減期は、123週と推定された。その濃度が5 IU/dLとなった場合の 関節出血エピソードは、年間1.0件と推定された。注入後2年で新たな安全性シグナルは出現しておらず、新たな重篤治療関連有害事象も発現していない。
評価
同疾患のみならず、遺伝子治療全般の未来に関わる重要な報告である。2年での有効性・安全性が示され、第VIII因子のみならず、AAVによる送達手法一般にも一定の担保を与えた。この治療は 一回$2〜3 millionと超高コストであり、有効であるべき期間は2年でも未だ短い。さらなる検証が必要である。