欧州発、人種・性別不関のeGFR推定式EKFC eGFRcys
Cystatin C-Based Equation to Estimate GFR without the Inclusion of Race and Sex
背景
eGFRの推算には、現在クレアチニン値ベース式(eGFRcr)が主に使用されているが、シスタチンC値に基づく式(eGFRcys)とどちらが高精度か。
ベルギーKU Leuven KulakのPottelら(EKFC)は、スウェーデン人227,643 名のデータでの成人シスタチンC値に基づいてEKFC eGFRcys式を構築し、その妥当性をEU(n=11,231)・米国(n=1,093)・アフリカ(n=508)のコホートで検証した。
結論
EKFC eGFRcysが、比較全コホートにおいてEKFC eGFRcrと同等精度であること、KDIGOが推奨するCKD-EPIによる eGFRcys式より、精度が高いことを確認した。EKFC eGFRcrとEKFC eGFRcysの算術平均により、精度はさらに向上した。
評価
EKFC eGFRcysはEKFC eGFRcrより優れてはいないものの、CKD-EPIよりは優れている、という結論である。 年齢・性別・人種による補正が不要、という特性により、より有用であることが示唆される。日本人でも検討されることになろう。