膝OA患者の運動は穏やかに長く
High- Versus Low-Dose Exercise Therapy for Knee Osteoarthritis: A Randomized Controlled Multicenter Trial
背景
変形性膝関節症(膝OA)患者への運動処方は高用量が必要か。
スウェーデンKarolinska InstitutetのAndreas Grootenらは、同患者189名を対象として、これを検証するRCTを行った。患者を12週間、週3回専門家の指導のもとで、高用量を処方する高用量群(n=98:11種目運動、70〜90分間)と低用量群(5種目運動、20-30分)に割り付けた。一次アウトカムは、介入終了3ヵ月でのThe Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score (KOOS)である。
結論
両群とも一次アウトカムが改善し、優劣は認められなかった。ただし、介入直後と追跡期間6ヵ月でのSport/Recスコアと6・12ヵ月後のQOLスコアにおいては、高用量群が多少のベネフィットを有した。
評価
2015年の変形性股関節症の運動処方量に関するCochraneレビューでも差はないと報告している(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26513223/)。本研究では低用量群の完遂率が98%と高く、低用量で長期継続するのがよい。