骨折・骨折手術後の血栓予防でアスピリンはヘパリンに劣らず:PREVENT CLOT
Aspirin or Low-Molecular-Weight Heparin for Thromboprophylaxis after a Fracture
背景
ガイドラインは骨折後の血栓予防に低分子量ヘパリン使用を推奨しているが、アスピリンとの比較は。
アメリカUniversity of MarylandのO’Tooleら(METRC:PREVENT CLOT)は、18歳以上で四肢部骨折手術を行った患者、または骨盤・寛骨臼骨折患者12,211名を対象として、これを検証する非劣性PragmaticRCTを行った。一次アウトカムは90日での全原因死亡である。
結論
1次アウトカムにおけるアスピリンのエノキサパリンに対する非劣性を認めた。また、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症・出血合併症・その他重大有害イベント発生に関しても有意差はなかった。
評価
論争的主題で、同時に行われたCRISTALは、人工膝関節全置換術患者においてアスピリンがヘパリンよりVTE(特に膝下)が多かったとJAMA報告している( https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35997730/)。ガイドラインにインパクトを与える重要争点で、論争が行われよう。