日本発アルツハイマー病薬lecanemab登場
Lecanemab in Early Alzheimer’s Disease
背景
Lecanemabは、日本期待の抗Aβプロトフィブリル抗体アルツハイマー病治療薬である。
アメリカYale School of Medicineのvan Dyckらは、アルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症を有し、PETまたはCSF検査でアミロイド沈着を認める50〜90歳患者1,795名を対象として、その効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ、18ヵ月)。一次エンドポイントは、CDR-SBスコアのベースラインから の変化である。
結論
Lecanemabの一次エンドポイント効果を認めた(差−0.45 [P<0.001])。脳内アミロイド蓄積減や他二次エンドポイント効果も認めた。参加者の26.4%にインフュージョンリアクション、12.6%に浮腫または滲出液貯留を伴うアミロイド関連画像異常を認めた。
評価
Aducanumabの承認が及ぼした悪影響が大きく、効果のモデストさと相まって多大な抵抗をもって受け取られた結果だが、FDAは迅速承認した。アブストラクトで強調されていない脳出血死亡3例が問題視されており、血栓・凝固系薬との併用が警告されている。高価であり、保険によるカバーが普及の鍵となる。