Artemis欠損SCIDにレンチウイルス遺伝子治療
Lentiviral Gene Therapy for Artemis-Deficient SCID
背景
Artemis欠損重症複合免疫不全症(ART-SCID)への現在の標準治療は同種造血細胞移植(allo-HSCT)だが、効果は限定的である。
アメリカUCSF Benioff Children’s HospitalのCowanらは、同乳児10名を対象として、DCLRE1C遺伝子組み込みレンチウイルスベクター導入の自家CD34陽性細胞送達治療の安全性・効果を検証する第1/2相試験を行った(追跡期間中央値 31.2ヵ月)。
結論
骨髄ハーベスト・ブスルファンコンディショニング後の遺伝子治療により、予想されたグレード3/4の有害事象が生じたが、全乳児は42日時点で事前規定実行可能性基準を満たした。全員で6〜16週目に標識T 細胞を確認した。24ヵ月以上追跡した6名中5名でT免疫の再構築を確認した。TCRβ多様性を4名に認め、その3名は予防接種に正常反応を示した。ベクター挿入部位にクローン増殖を認めなかった。サイトメガロウイルス感染症が1名に発症し、再治療を行った。4名で自己免疫性溶血性貧血が発現したが回復した。報告時点で10名全員が健康に生存中である。
評価
レンチウイルスの採用、自己プロモータの使用、ブスルファン曝露の低減等を含む先進的遺伝子治療である。ART-SCIDはSCIDの数%を占めるにすぎない希少疾患だが、手法自体には汎用性がある。FDAはFastTrackとした。


