股関節骨折術後は早期に理学療法開始を
Early initiation of physical therapy after geriatric hip fracture surgery is associated with shorter hospital length of stay and decreased thirty-day mortality
背景
股関節骨折の手術後は早期に理学療法(PT)を導入すべきというデータが増えている。
アメリカUniversity of PittsburghのHankinsらは、60歳以上で関節形成術・整復固定術等股関節骨折手術を行った患者1,551名を対象として、PT導入開始の術後日数(POD0/1/2+)と入院日数(LOS)・死亡発生の関連を検討する後向研究を行った。
結論
直後開始(POD0)は全体の5.3%で、術後1日(POD1)が76.3%、術後2日以降(POD2+)が18.4%だった。POD1/2+グループの平均年齢はPOD0よりも2.3歳上だった。術式によるPLOS差はなかった。POD0は他グループより平均PLOSが短く(POD0 3.4日 vs. POD1, 5.2日 vs. POD2+, 8.2日)、死亡発生もPOD0と1グループはPOD2+よりも有意に低かった(3.7% vs. 9.8%, OR 0.354)。
評価
先行ベンチマーク研究は POD1を推奨しており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34617696/)、別の先行研究も55歳以上患者では、POD1以降の場合死亡・合併症発生リスクが増加すると報告している(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35773620/)。早期PTを支持するエビデンスは強い。