マルファン症候群へのARB・βブロッカーの有益性を確認:患者レベルメタ解析
Angiotensin receptor blockers and β blockers in Marfan syndrome: an individual patient data meta-analysis of randomised trials
背景
マルファン症候群での大動脈基部拡大防止にARBとβブロッカーが有用であるとするRCTがある。
イギリスUniversity of OxfordのBaigentらは、10RCT(n=1,836)の個別患者レベルメタ解析を行った。一次エンドポイントは、体表面積調整後バルサルバ洞径拡大Zスコアの年間変化率である。
結論
大動脈手術既往のない患者におけるARBの一次エンドポイント効果(0.07 vs. 0.13)を認めた。βブロッカーの効果も同様であった。診断時からの両薬併用が大動脈手術適応を低減できる、という仮説が生成される。
評価
著者への問い合わせを含む模範的メタアナリシスによって、決め手のない病態に対する有効方策を確認した。ガイドラインインパクトのある結果であり、生成仮説を検証するRCTが期待される。