子供の食物アレルギーリスク低減のための早期曝露戦略に上質エビデンス: PreventADALL
Early food intervention and skin emollients to prevent food allergy in young children (PreventADALL): a factorial, multicentre, cluster-randomised trial
背景
乳児期早期のアレルゲン食品摂取開始が高感受性児の食物アレルギーリスクを低下させる、というエビデンスがあるが、一般集団では。
ノルウェーOslo UniversityのSkjervenら(PreventADALL)は、18週妊婦の定期検査時に出生前募集した児(n=2,397)を、出生時に以下の群に無作為化するRCTを行った。(1)無介入、(2)皮膚介入群(皮膚エモリエント剤;入浴剤およびフェイスクリーム;生後2週から9カ月未満、いずれも週4回以上)、(3)食物介入群(生後3カ月からピーナッツ・牛乳・小麦・卵を早期に補完摂取)、(4)複合介入群(皮膚および食物介入)。一次アウトカムは、3歳時での介入対象食品に対するアレルギーの存在である。
結論
一次アウトカムは44名で発生し、非介入群2.3%、皮膚介入群3.0%、食物介入群0.9%、複合介入群1.2%であった。ピーナッツアレルギーは32名、卵アレルギーは12名、牛乳アレルギーは4名で、小麦アレルギーはなかった。食物アレルギー有病率は、食物介入群で非介入群に対し有意に減少したが(OR 0.4)、皮膚介入群と比較しては減少しなかった。治療のNNTは63名であり、重篤有害事象はなかった。
評価
ピーナッツアレルギーは、対照群での2.0%に対し、介入群では0.7%でしか発生しなかった、という。積極的早期介入という最近の潮流を支持する上質のエビデンスであり、近い将来常識化される可能性がある。


