2019年、約10万人の5歳未満児がRSVで死亡した
Global, regional, and national disease burden estimates of acute lower respiratory infections due to respiratory syncytial virus in children younger than 5 years in 2019: a systematic analysis
背景
RSウイルス(RSV)は、最も一般的な乳幼児下気道感染症(LRTI)の原因である。
英国University of EdinburghのNairら(RESCEU)は、0〜60ヵ月の児を対象とした2019年の世界のRSV関連急性LRTIの疾病負荷データベースに関する481研究の系統レビュー結果を発表している。
結論
2019年における世界のRSV関連急性LRTIの発症は3,300万件、入院は360万件、院内死亡は2万6,300件、RSVに起因する総死亡は10万1,400件と推計された。0〜6ヵ月児では、RSV関連急性LRTI発症660万件、入院140万件、院内死亡1万3,300件、RSV起因総死亡4万5,700件であった。0〜60ヵ月児の死亡の2.0%と生後28日〜6ヵ月の児の死亡の3.6%がRSVに起因していた。RSV関連急性LRTIの95%以上とRSV因死亡の97%以上が低・中所得国で発生した。
評価
乳幼児で最重要な感染症の一つに関する初めての十全な世界的サーベイである。著者らは、以前のサーベイは不完全だったが、入院の減少がみられるかもしれない、としている。COVID-19直前のデータで、パンデミックがどのように影響したかには多大な興味がある。断片的な報告では、ウィルス検査の頻繁化により検出が増えたことを示唆したものもある(https://adc.bmj.com/content/107/3/e1.1.abstract)。


