歩行能低下に記憶力低下が重なると認知症リスクは25倍
Association of Dual Decline in Cognition and Gait Speed With Risk of Dementia in Older Adults
背景
歩行速度低下と老化の関連はよく知られている。オーストラリアMonash UniversityのCollyerらは、健康高齢者16,855名を対象として、ベースライン・2年・4年・6年・試験終了時の歩行速度とベースライン・1年・3年・5年・試験終了時点での認知能力(包括的認知能力[3MS]・記憶能力[HVLT-R]・認知処理速度[SDMT]・言語流暢性[COWAT-F])の関連を検討するコホート研究を行った。
結論
歩行速度低下ベースに、記憶能[HVLT-R]低下・包括的認知能[3MS]低下・ 言語流暢性[COWAT-F]低下・ 認知処理速度[SDMT] 低下が加わった場合、認知症発症リスクが著増した(HR:各24.7・22.2・4.7・4.3)。
評価
アスピリンに認知症発生予防能がないとしたRCT(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32213642/)結果の二次分析で、先行研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32083691/)を裏付ける結果となった。


