一次修復不能肩腱板断裂へのInSpace™バルーンは無益
Subacromial balloon spacer for irreparable rotator cuff tears of the shoulder (START:REACTS): a group-sequential, double-blind, multicentre randomised controlled trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2022
399
開始ページ
1954

背景

修復不能な肩腱板断裂への新デバイスInSpace balloon(Stryker, USA)の有効性は。
英University of WarwickのMetcalfeら(START:REACTS)は、保存治療で改善しない一次修復不能同患者117名を対象としてこれを検証するRCTを行った。患者を、上腕二頭筋腱切除と肩峰下鏡視下デブリドマンを行うデブリドマン群と、同処置にInSpace balloon留置を加えるデブリドマン+デバイス群に割り付けた。一次アウトカムは12ヵ月でのOxford Shoulder Score(OSS)である。

結論

デブリドマン+デバイス手術の一次アウトカム劣性を認めた(平均差 -4.2)。有害事象発生に群間差はなかった。

評価

24名を対象とした先行前向観察研究が有用としており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27957596/)、FDAもクリアしている。意外にも中規模RCTで無益結果が出たが、すでに米以外の多く国でも29000デバイスほどが利用されているという。さらなるRCTが必要になった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy