座式太極拳で脳卒中サバイバーの回復をサポート
Tailored Sitting Tai Chi Program for Subacute Stroke Survivors: A Randomized Controlled Trial
背景
座位姿勢で行う座式太極拳は亜急性期脳卒中患者の身体機能やQOLを改善するか。
中国The Chinese University of Hong KongのChun Chauらは、6ヵ月以内に脳卒中に罹患した患者160名を対象として、これを検証する12週の評価者盲化RCTを行った。患者を、入院1週目に指導者から個別トレーニングを受け、退院後自習画像で週3回のトレーニングを行う座式太極拳介入群と、自宅で自習画像で運動療法を行うコントロール群に割付けた。一次アウトカムは、上肢機能・立位/座位バランス制御である。
結論
座式太極拳介入の一次アウトカム効果を認めた(group-by-time interaction相関係数のB値:[パフォーマンス時間]-21.415;[機能能力]10.146;[バランスコントロール]4.972)。また、鬱症状の改善、日常活動性、QOLの向上との関連もみられた。介入群の半数以上が12週後も座式太極拳トレーニングを継続した。
評価
脳卒中リハビリへの太極拳応用の研究は多いが、質的には問題が多い(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095754815000241)。座式太極拳介入のRCTは初めてとみられ、自宅で車椅子に乗ったまま行えるので安全・低コストだが、スタンダードとしての確立には中国外での追試が必要である。