重度肥満者はTKA前に肥満外科手術を
Effect of Bariatric Surgery on Risk of Complications After Total Knee Arthroplasty: A Randomized Clinical Trial
背景
重度肥満を有する変形性膝関節症(OA)患者の人工膝関節置換術(TKA)前に減量手術をすると有益ではないか。
オーストラリアThe University of MelbourneのChoongらは、TKA予定の肥満OA患者82名を対象としてこれを検証する評価者盲化群間並行RCTを行った。患者を1:1の割合でTKA前の肥満外科手術群と標準ケア群に割付けた。主要アウトカムは、TKA12ヵ月後における退院延期となる合併症・創合併症・想定外処置・再入院・全原因死亡の複合発生である。
結論
肥満外科手術群の主要アウトカムの有意な低下を認めた(14.6% vs. 36.6%:差22.0%)。12ヵ月ではBMIも有意に低下した。さらにTKAが不要となった患者も肥満外科手術群の方が有意に多かった(29.3% vs. 4.9%:差24.4%)。
評価
効果が明かであるため、試験は早期終結されたという。TKA自体が不要になった患者が大量に出たという結果も目覚ましく、「肥満を直せば多くのTKAは不要になる」という仮説を支持する。


