急性アキレス腱断裂の第一オプションは保存療法
Nonoperative or Surgical Treatment of Acute Achilles’ Tendon Rupture
背景
急性アキレス腱断裂への手術アプローチの価値に関しては、結論が必要である。ノルウェイAkershus UniversityのMyhrvoldらは、同患者554名を対象としてこれを検証する多施設RCTを行った。患者を、保存療法群・最小侵襲手術(MIS)群・open repair群に割付けた。一次アウトカムは、12ヵ月後のAchilles Tendon Total Ruptureスコア(ATRS)変化である。
結論
3群間に一次アウトカムの有意差はなかった([保存療法群]−17.0点;[MIS群]−14.7;open repair群]−16.0点)。身体機能やパフォーマンスも群間で類似していたが、再断裂は手術療法群より保存療法群が多かった(各0.6% vs. 6.2%)。
評価
懸案の争点に最大規模のRCTで一定の結論を出した。手術ストレスはもとよりコストで保存療法が優れており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32015739/)、手術のメリットは「再断裂が少ない」に集約されるようである。