遺伝性血管性浮腫に新規ASO薬donidalorsen登場
Inhibition of Prekallikrein for Hereditary Angioedema
背景
遺伝性血管性浮腫(HAE)への現在のファーストオプションは、血漿由来C1阻害薬またはカリクレイン阻害薬だが、効果は十分でない。オランダUniversity of AmsterdamのCohn ら(ISIS 721744-CS2)は、20名の同患者(C1インヒビター欠損)を対象として行われたdonidalorsen(新規選択的血漿プレカリクレイン生成阻害ASO薬:4週毎4回皮下投与)の第2相RCT結果を報告している(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、1週~17週の月間換算血管性浮腫発作である。
結論
Donidalorsenの一次エンドポイント効果を認めた(平均差 -90%)。AE-QoLスコアでも有効性を認めた。軽~中等度有害事象の発現率は、実薬群 71%、プラセボ群 83%であった。
評価
新規ASO薬が、20名というサンプルサイズで発作の90%抑制という印象的な効果を示した。著者らはさらに、現在有効な方策がほとんどない非C1インヒビター欠損患者にも効果がありそうだ、ともしている。