血友病AのAAV遺伝子治療試験GENEr8-1、第3相成功を報告
Valoctocogene Roxaparvovec Gene Therapy for Hemophilia A
背景
血友病Aに対する遺伝子治療の第3相試験GENEr8-1が成功した。Valoctocogene roxaparvovec(AAV5-hFVIII-SQ:肝特異的プロモータを利用した第VIII因子相補DNAを有するAAV5)の静注によるもので、ブラジルUniversity of CampinasのOzelo らによる、同重症男性患者134名を対象として行われた非盲化単群多施設試験である。用量は6×1013ベクターゲノム/kg体重、一次エンドポイントは、注入後49〜52週時点での第VIII因子活性のベースラインからの変化量である。
結論
132名で一次エンドポイント効果を認めた(ベースラインから平均41.9 IU/dL、中央値22.9 IU/dL上昇)。112名で投与後4週以降第VIII因子濃縮製剤の使用および要治療出血の年間発生率が各98.6%・83.8%低下した。全員で1件以上の有害事象が発生し、16.4%は重篤であった。ALT値上昇が85.8%で認められ、免疫抑制薬による管理が必要であった。第VIII因子インヒビターと血栓症は発現しなかった。
評価
遺伝子治療の期待分野の一つで、同薬はすでに第1・2相成功時にFDAに承認を要求したが、主に効果の持続性問題で保留となっている。肝有害事象の評価を含め、今回の第3相1年結果で承認されるかどうかが注目される。