COVID-19ワクチン有効性の9ヵ月漸減データを発表
Effectiveness of Covid-19 Vaccines over a 9-Month Period in North Carolina
背景
COVID-19ワクチンの防御効果持続期間問題は重要だが、高信頼度の公刊報告は多くない。University of North CarolinaのLinらは、同州サーベイランスシステムデータとCOVID-19ワクチン管理システムデータを統合し、同州住民約1,060万人の9ヵ月間(2020年12月11日〜2021年9月8日)における Pfizer・Moderna・J&Jワクチン接種と入院・死亡アウトカム有効性を比較検討した。
結論
Pfiozer・Modernaの2回接種レジメンの有効性は、初回接種後2ヵ月で各94.5%・95.9%、7ヵ月で66.6%・ 80.3%であった。両ワクチン早期接種者は、デルタ株が優勢化した6月中旬〜7月中旬に有効性が各約15・10パーセントポイント低下していた。J&Jワクチン1回接種レジメンの有効性は、1ヵ月で74.8%、5ヵ月で59.4%に低下した。
評価
mRNAワクチンがベクターワクチンより有効であること、両ワクチンとも半年以降は効果が漸減することは周知となっており(https://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2022/01/studies-covid-vaccines-effective-limited-waning)、ブースター接種の推奨が政策化しているが、デルタ株優勢化時代までのデータに基づくもので、オミクロン株優勢化後時代に関する高信頼度大規模データは未だ公表されていない。