先天性Zika症候群生児の3年死亡率は11倍
Mortality from Congenital Zika Syndrome−Nationwide Cohort Study in Brazil
背景
Zikaウイルス感染症はCOVID-19に先立ってパンデミックへの危機感をもたらしたが、先天性Zika症候群の患児中の生児はすでに幼年期に達している。英国London School of Hygiene and Tropical MedicineのPaixaoらは、ブラジル2015/1〜2018/12における同症候群出生児と対照児(n=11,481,215)の生存状況を比較した。
結論
最長追跡期間は36ヵ月であった。死亡率は、先天性Zika症候群児では1,000人年あたり52.6件、対照児では 1,000人年あたり5.6件であった(率比:11.3)。正期産児で先天性Zika症候群を有する場合は、死亡確率が対照の14.3倍、出生体重2,500 g 以上児では、同確率が12.9倍であった。先天性Zika症候群児の死因としては、先天異常・神経系疾患・感染症が対照児より多かった。
評価
COVID-19がZika流行と重なることが危惧されていたが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33217046/)、ソーシャルディスタンスの結果か、発生増の報告はみられていないようであり、またZika児のCOVID-19罹患・病態状況に関する報告も、未だ現れていないとみられる。