輸血依存性βサラセミアに対するbeti-cel遺伝子治療の第3相成功:HGB-207
Betibeglogene Autotemcel Gene Therapy for Non-β0/β0 Genotype β-Thalassemia
背景
輸血依存性βサラセミア(TDT)は、サラセミアの最重症型である。イタリアUniversity of RomeのLocatelli ら(HGB-207 )は、遺伝子型β0/β0 以外の成人・小児TDT患者23名を対象として、betibeglogene autotemcel(beti-cel)による遺伝子治療(βA-T87Q遺伝子をコードするBB305レンチウイルスベクターで遺伝子導入した自家CD34陽性造血幹細胞・前駆細胞を使用)の有効性・安全性を検証する非盲検第3相試験を行った。一次エンドポイントは、輸血非依存状態(赤血球輸血なしにHb濃度加重平均が9 g/dL 以上)の12ヵ月以上持続である。
結論
追跡期間中央値29.5ヵ月で、beti-celの一次エンドポイント効果を認めた(評価可能者22名中20名が達成:12歳未満患者7名でも6名が達成)。輸血非依存状態での平均Hb濃度は11.7 g/dLであった。遺伝子治療に由来するHbAT87Q濃度の上昇を認めた(中央値8.7 g/dL)。beti-cel関連可能であった有害事象は4名の患者で各1件以上発現し、血小板減少症1例以外はいずれも重篤でなかった。がん発生は無かった。
評価
第1・2相試験の結果を受けて、トランスダクションエンハンサーを追加して得られた、レンチウイルスベクター遺伝子治療の画期的な成功報告である。今回の評価では発生しなかったとされた発癌問題に加え、高コスト問題が次のチャレンジとなる。


