汎sarbecovirusワクチンの概念を実証
Pan-Sarbecovirus Neutralizing Antibodies in BNT162b2-Immunized SARS-CoV-1 Survivors
背景
SARS-CoV-2mRNAワクチンの有効性が全世界で確認されているが、汎コロナワクチンへの展望は。シンガポールNUS Global Health InstituteのWangらは、SARS-CoV-1感染生存者10名、SARS-CoV-2感染生存者10名、対照無感染健常者10名の、ファイザーBNT162b2ワクチンへの交差免疫応答を検討した。
結論
ワクチン接種後、SARS-CoV-2感染者全員、健常対照者全員に 高力価広域中和抗体が誘導され、SARS-CoV-1生存者にもα・β・δバリアントを含む7種のSARS-CoV-2クレ-ドウイルスへの交差中和抗体が誘導された。
評価
現在の最重要問題は「δ後」バリアントに対する汎sarbecovirusワクチンで、製薬企業はしのぎを削っている。この研究は、それが実現可能であることを示すとともに、将来新興しうる「次の」ベータコロナウイルスにも対応する汎コロナワクチンも追求可能であることを示唆した。