イスラエルからCOVID-19mRNA ワクチン接種後のブレークスルー感染の実態を報告
Covid-19 Breakthrough Infections in Vaccinated Health Care Workers
背景
COVID19予防にBNT162b2mRNAが高い有効性を示しているが、ブレークスルー感染の実態は。イスラエル最大の医療センターSheba Medical CenterのRegev-Yochayらは、ワクチン接種を完了し、RT-PCR データを入手しえた医療従事者1,497名のデータを解析した。
結論
1,497名中39名(2.6%) で ブレークスルー感染を確認した。患者の感染周辺期中和抗体価はマッチさせた非感染者対照より低かった(0.361)。ブレークスルー症例の大部分は軽症または無症状であったが、19%で 症状持続が6 週間を超えた。85%はB.1.1.7(アルファ)バリアントであった。
評価
懸念のブレークスルー感染に関する最初の高信頼度データで、アルファバリアントに関するものである。デルタバリアントがアルファを置換したアメリカに関する2021/8/16現在のCDC発表では、2回接種者1億6,800万人中ブレークスルー感染による死者・入院者は 9,716 人(〜0.006%)である(https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/health-departments/breakthrough-cases.html)。死者は1829人であり、この論文での感染率を仮定した場合、感染致死率は〜0.04%、自然感染での推定値の1/10以下となる。