鎌状赤血球症とβサラセミアでCRISPR遺伝子編集治療が本格開始
CRISPR-Cas9 Gene Editing for Sickle Cell Disease and β-Thalassemia

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
January 2021
384
開始ページ
252

背景

CRISPRテクノロジーが臨床ランドスケープに入ってきた。ドイツUniversity of RegensburgのCorbaciogluらは、βサラセミア(TDT)患者1名と鎌状赤血球症(SCD)患者1名に対する同遺伝子編集治療の成功を報告している。造血幹細胞のBCL11A(成体における胎児ヘモグロビン遺伝子発現を抑制する転写因子)をCRISPR-Cas9編集して胎児ヘモグロビン産生可能とした後、患者に自家移植した。

結論

両患者ともに全身で胎児ヘモグロビンが増加し、輸血非依存となった。SCD患者では血管閉塞イベントが消失した。

評価

血液系単一遺伝子疾患はCRISPR臨床応用の最初のターゲットであり、CRISPR Therapeutics社によって実装された。以降の多様な展開が期待される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell