鎌状赤血球症とβサラセミアでCRISPR遺伝子編集治療が本格開始
CRISPR-Cas9 Gene Editing for Sickle Cell Disease and β-Thalassemia
背景
CRISPRテクノロジーが臨床ランドスケープに入ってきた。ドイツUniversity of RegensburgのCorbaciogluらは、βサラセミア(TDT)患者1名と鎌状赤血球症(SCD)患者1名に対する同遺伝子編集治療の成功を報告している。造血幹細胞のBCL11A(成体における胎児ヘモグロビン遺伝子発現を抑制する転写因子)をCRISPR-Cas9編集して胎児ヘモグロビン産生可能とした後、患者に自家移植した。
結論
両患者ともに全身で胎児ヘモグロビンが増加し、輸血非依存となった。SCD患者では血管閉塞イベントが消失した。
評価
血液系単一遺伝子疾患はCRISPR臨床応用の最初のターゲットであり、CRISPR Therapeutics社によって実装された。以降の多様な展開が期待される。