血中P-tau217レベルでADを発症20年前に予測？

Discriminative Accuracy of Plasma Phospho-tau217 for Alzheimer Disease vs Other Neurodegenerative Disorders

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背景

アルツハイマー病（AD）の早期診断のために簡便な血液検査が望まれている。スウェーデンLund UniversityのPalmqvistらは、計1,402名の3コホート（Arizona-based neuropathology cohort、the Swedish BioFINDER-2 cohort、Colombian autosomal-dominant AD kindred）を対象とする横断研究により、血漿リン酸化タウ217（P-tau217）の診断有用性を検討した。一次アウトカムは、血漿P-tau217によるAD識別精度（臨床または神経病理学的診断）である。

結論

コホート1では、生前血漿P-tau217による神経病理学定義AD識別のAUCは0.89で、血漿P-tau181・ニューロフィラメント軽鎖（NfL）より高精度であった。コホート2でのAUCは0.96で、血漿P-tau181・血漿NfL・MRIより高精度だった（CSF P-tau217・CSF P-tau181・tau-PETと同等）。コホート3では、PSEN1変異キャリアの血漿P-tau217レベルは、約25歳以上の非キャリアと比較して有意に高かった。これは、MCI発症が予測される20年前である。

評価

ADの臨床・研究に大きなインパクトを与える重要な同定である。「革命的」という評価さえ出ており、世界的に徹底的追試が行われよう。