Moderna-NIHのCOVID-19 SARS-CoV-2 mRMAワクチンがP1通過を報告
An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2 - Preliminary Report
背景
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策の決め手、SARS-CoV-2ワクチンの開発はすでに第3相に入っている。Kaiser Permanente Washington Health Research InstituteのJacksonらは、NIHとModerna社が共同開発したmRNA-1273(膜融合前のSARS-CoV-2 Sタンパクをコード)ワクチンの第1相試験結果を報告している。対象は18〜55歳の健康成人45名である。
結論
mRNA-1273は、2回接種により全参加者で回復期血清上位レベルの抗SARS-CoV-2中和抗体生成を誘導した。重篤有害事象はなかった。
評価
英のOxford-AstraZenecaワクチンと並ぶ米のトップランナーで、各々アデノウイルスベクター型とmRNA型の代表である。前者のP1/2報告は、T細胞応答を確認した点でより優れている(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31604-4/fulltext)。これらを含め、複数候補の第3相初期結果が今年中に得られることは確実である。