生物学的メッシュ使用でストーマ閉鎖術時の瘢痕ヘルニアを防ぐ:ROCSS
Prophylactic biological mesh reinforcement versus standard closure of stoma site (ROCSS): a multicentre, randomised controlled trial
背景
ストーマ閉鎖術では瘢痕ヘルニアの合併症が起こりえるが、生物学的メッシュを使用した予防的腹壁修復は有効か。イギリスUniversity of BirminghamのBhanguら(ROCSS)は、回腸ストーマ・結腸ストーマ閉鎖術の患者790名を対象にこれを検証する国際多施設RCTを行った(対照:腹壁縫合のみ)。一次エンドポイントはランダム化2年後の臨床的ヘルニアである。
結論
メッシュ使用の一次エンドポイント効果を認めた(12% vs. 20%)。1年時のCT画像によるヘルニア形成はメッシュ群で少なく、症候性ヘルニア・外科的再介入の頻度もメッシュ群で少ない傾向にあった。感染症・seroma・QOL・疼痛・有害事象に群間差はなかった。
評価
ストーマ閉鎖術でのこの手法が瘢痕ヘルニア予防に有効とした初めてのRCTである。QOLや疼痛レベルに有意差は認めなかったが、2つのRCT(MEMBO・PROMISS)が進行中であり、長期結果が期待される。


