NASHにTHR-β特異アゴニストresmetiromは有望
Resmetirom (MGL-3196) for the treatment of non-alcoholic steatohepatitis: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
背景
Resmetiromは、肝細胞に高発現する甲状腺ホルモン受容体β(THR-β)に対する特異的アゴニストであり、脂肪代謝を促進することでNASHの改善が期待される。Pinnacle Clinical ResearchのHarrisonら(MGL-3196-05)は、肝生検で線維化ステージ1〜3かつMRIプロトン密度脂肪分率(MRI-PDFF)で肝脂肪化10%以上を認めたNASH患者 348名を対象として、同薬の有効性を評価する第2相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、12週時のMRI-PDFFにおける脂肪率の相対変化である。
結論
Resmetiromの一次エンドポイント効果を認めた(12週時:−32.9% vs. −10.4%; p<0.0001、36週時:−37.3% vs. −8.5%; p<0.0001)。
評価
First-in-class薬が有望性を証明した。この第2相はバイオマーカーだけをみており、進行中の第3相試験(MAESTRO-NASH)では臨床効果の証明が期待される。