長期透析患者の貧血に経口薬roxadustat?
Roxadustat Treatment for Anemia in Patients Undergoing Long-Term Dialysis
背景
Roxadustatは、新規経口低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素阻害薬で、内因性エリスロポイエチン産生を刺激する。中国Shanghai Jiao Tong UniversityのChenらは、305名の長期透析中患者を対象として、エポエチンアルファへの追加によるその貧血治療効果を検証するRCTを行った(対照:エポエチンアルファのみの継続)。一次エンドポイントは、23〜27週での平均ヘモグロビン値のベースラインからの変化量の平均である。
結論
Roxadustatのエポエチンアルファに対する一次エンドポイント非劣性を認めた(差 0.2±1.2 g/dL)。同薬には、トランスフェリン増、血清鉄濃度維持、トランスフェリン飽和度低下抑制、の効果もあった。高カリウム血症・上気道感染症の頻度はroxadustat群が高かった。
評価
経口薬で抗炎症効果等多彩な作用機序も示唆されており、有望な薬だが、透析患者でのエポエチンアルファへの上乗せでは造血効果はあるものの非劣性にとどまった。高カリ血症は問題であり、この適応での承認にはさらなる長期結果が要求される可能性もある。なお、併載論文では非透析患者での単剤有効性が示されている(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1813599)。

