ABO血液型不適合腎移植は適合移植に劣る：メタアナリシス
Clinical outcomes after ABO-incompatible renal transplantation: a systematic review and meta-analysis
背景
ABO血液型不適合腎移植（ABOi-rTx）が行われているが、適合移植（ABOc-rTx）に対し非劣性か。ドイツOtto-von-Guericke UniversityのScurtら（PROSOERO）は、40研究のメタ解析を行った（n=7,098［ABOi-rTx］）。一次エンドポイントは、移植後1・3・5年時と8年以降の全死因死亡率と移植腎生着率である。
結論
ABOc-rTxと比べ、ABOi-rTxの全死因死亡率は、1年（OR:2.17、p<0.0001）・3年（OR:1.89、p<0.0001）・5年（OR:1.47、p=0.01）で有意に高かった。ABOi-rTxの移植腎生着率は1年（OR:2.52、p<0.0001）・3年（OR:1.59、p=0.004）で有意に低かった。
評価
期待された不適合腎移植だが、「やはり劣る」という評価を決定づけた。2018 ATCで発表されたメタアナリシス（26研究）でも「アウトカムは良いが適合には劣る」としている（https://atcmeetingabstracts.com/abstract/how-safe-is-crossing-the-abo-blood-group-barrier-a-meta-analysis-to-determine-the-additive-risk-of-abo-incompatible-kidney-transplantation/）。腎移植ネットワークの構築が重要である。
