遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシスにRNAi薬登場
Patisiran, an RNAi Therapeutic, for Hereditary Transthyretin Amyloidosis
背景
遺伝性transthyretinアミロイドーシスは、transthyretin(TTR)遺伝子変異による多発性神経炎を主徴とする多臓器的進行性疾患で、決め手となる治療法がない。フランスCHU BicetreのAdamsら(APOLLO)は、同患者225名を対象として新規RNAi薬patisiranの効果・安全性を検証する第III相試験を行った(対照:placebo)。一次エンドポイントは、18ヶ月時点における修正ニューロパチー障害スコア+7(mNIS+7)のベースラインからの変化である。
結論
Patisiranの一次エンドポイント効果を認めた(-6.7 vs. 14.4±2.7)。歩行速度・修正BMIに対する効果も認められた。Patisiran群の約20%で中等度以下の静注反応があったが、有害事象の発生率に有意差はなかった。
評価
NEJMは同コンセプトのASO薬inotersenの有効性報告論文も併載している。著者らは神経症状の進行が食い止められる、としており、難病への有力な対応策となった。