Harvard Chan SPHがアメリカ医療を診断
Health Care Spending in the United States and Other High-Income Countries
背景
世界一の医学大国アメリカの医療システムは「スキャンダル」とされることがあるが、実態に関しては見方にばらつきもある。Harvard T. H. Chan School of Public HealthのPapanicolasらは、OECDデータにより、同国の医療経済状況を10の高所得国(UK・カナダ・ドイツ・オーストラリア・日本・スウェーデン・フランス・オランダ・スイス・デンマーク)の2013〜2016年データと比較分析した。
結論
2016年におけるアメリカの医療費はGDPの17.8%、他国は9.6%(オーストラリア)〜12.4%(スイス)であった。健康保険保有率は90%で他国よりも低く、民間医療保険の割合が最も高かった(55.3%)。喫煙率は2番目に低かったが、肥満率は最も高かった。平均余命は78.8年と最短で、乳児死亡率は最高だった。人口当たり医師数・看護師数に大差はなかった。人口当たり病床数は同等だが、MRI・CT利用率は高かった。医療施設の利用は同等だったが、施設コストでは経営コストが8%を占め、他国(1〜3%)より顕著に高かった。薬剤費は一人当たり$1,443で、他国より顕著に高かった($466〜939)。医師・看護師の給料は顕著に高かった(例:一般内科医は$218,173、他国では$86,607〜154,126)。
評価
Harvard Chanによるアメリカの医療経済の基本診断である。施設の利用の仕方が違う等の意見を否定し、薬価・人件費が高く格差が大きいという現実を明らかにした。


