高齢者の股関節手術での局所vs.全身麻酔にせん妄発生率差なし:RAGA
Effect of Regional vs General Anesthesia on Incidence of Postoperative Delirium in Older Patients Undergoing Hip Fracture Surgery
The RAGA Randomized Trial
背景
高齢者の股関節骨折手術で、局所麻酔は全身麻酔と比べ、術後せん妄発生率を低減できるか。中国 Wenzhou Medical UniversityのLiら(RAGA)は、同手術を行う認知症のない高齢患者950名を対象として、これを検証する多施設無盲RCTを行った。患者を、局所麻酔群(鎮静剤不使用での脊椎麻酔・硬膜外麻酔・もしくは両方)か全身麻酔群(静脈・吸入・もしくは併用)に割付けた。一次アウトカムは術後7日以内のせん妄発生である。
結論
一次アウトカムは局所麻酔群6.2%、全身麻酔群5.1%で群間に発生し、有意差はなかった。また、せん妄の重症スコアにも有意差はなかった( 23.0 vs 24.1)。
評価
米加で行われた REGAIN と軌一する結果であり(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623788/)、この問題には決着がついたとみなされる。